概要
- 東京の六本木にて、ロードバイクにワイヤー錠をかけて、地球ロックしていましたが盗難されました。
- 自転車が盗難されて戻ってこなかった人達の無念を晴らすためにも、犯人を深追いして、ロードバイクを取り戻しました。
前置き
- 盗まれたバイクはSpecialized S-works tarmacです。完成車の新車定価は約100万円です。フレームセットは定価約50万円です。
- 約1年半前に走行距離200km程度の中古を買いました。。通勤、トレーニング、レース用として幅広く使っていました。
- 購入後はトレーニングやレースで合計1,000kmぐらい乗りました。
- 休日や深夜の時間を使って、箱根、熱海、房総半島、霞ヶ浦、三浦半島などに行き、思い出が多いバイクです。
- 中古での購入なので防犯登録は行っていませんでした。
↓盗まれる1年前ぐらいの写真。
1日目 駐輪
- 遡ること半年前の2018年9月20日(木)
- いつものようにSpecialized S-works tarmacで片道6kmを自転車で出勤しました。
- いつもは、オフィスとしているマンションの部屋の中へ持ち込んで駐輪していました。
- この日は大家がマンションの前に立っていました。実は、このマンションは駐輪場が無いだけでなく、マンション屋内への自転車の持ち込みを許していない物件でした。
- 大家はすごい形相で「自転車持ち込み禁止なんだけど」と嫌みっぽく言われ、仕方なく周辺で駐輪出来るところを探しました。
- 大家との関係悪化をしないためにもそこは反論せず、おとなしく従いました。(その場で分解してバラバラにして荷物だと言い張ったりとかも考えましたが)
- マンションの近くに普段からロードバイクが止まっていて、特に盗まれていなく、人通りが多い場所をいくつか知っていましたが、この時は小雨が降り出してきていたので雨に濡れない所に留める必要がありました。
- そこで、高架下で雨に濡れない所に駐輪しました。1,500円ぐらいのワイヤーロックを使ってガードレールに縛り付けておきました。
- 駐輪した時は、すぐ横で道路工事をしていたので警備おじさんの目もあるし、安心かなぁと感じていました。昼に取りに来てマンションの部屋にしまおうと思っていたので、まぁ軽い気持ちで停めました。
- 昼になっても雨は降り続け、傘が無いと外を歩けないぐらいの強さでした。
- tarmacは一度も雨の中を走ったことが無いのでかなり綺麗な状態です。なので、雨に濡らしたくなかったので回収に行きませんでした。
- 夜になっても雨は止まず、仕方が無いのでこの日は電車で帰宅しました。
- 雨の中、駐輪した自転車をチェックしに行くことも面倒なのでチェックせずに帰りました。
2日目 停めていた自転車が無くなった
- 朝、電車で出勤しました。
- 昼に用事があって外出しましたが、自転車が置いてある方向とは逆方向だったのでチェックに行きませんでした。
- 夜になり、やっと自転車を取りに行って帰宅出来るタイミングになりました。
- 駐輪した場所へ自転車を取りに行くと、停めたところに自転車が無くなっている!
- あるはずの場所に物が無いと、自分の記憶が間違っているのか!?という気持ちにとらわれます。10回ぐらい昨日の朝からの行動を脳内再生してみましたが、何度考えてもそこに駐輪したし、過去36時間は回収もしていです。
- この後には会食があったし、頭の中も整理したいので、とりあえず会食の場所へ向かいました。
- 予定が終わり、帰りの電車の中でヤフーオークション、ラクマ、メルカリなどのオークションサイトやメルカリで「s-works tarmac」で検索して出品されていないかを確認しましたが、出品は確認出来ませんでした。
- 放置自転車回収が行われた可能性もあるので、放置自転車の回収を行われたことを祈って少しソワソワしながら就寝しました。
- しかしながら「本当に大切なものは失ってはじめて気付く」とはこのことだなと反省しました。
- Webを検索すると、盗難された自転車が見つかる確率は非常に低いようです。盗難のレポートはたくさんありますが、それが見つかったという報告は簡単には見当たりません。
- このときは、まだ自転車が区に回収された可能性もあるので、盗難されたという感じはしていませんでした。以下のような看板もあったので。
3日目 ヤフオクで見つける
- 3連休の初日です。1週間後の週末にはデュアスロンのレースがあり、このtarmacで参戦する予定です。なるべく早く回収して練習を積みたいという気持ちでいっぱいです。
- 区が自転車を回収してしまった可能性を考えて、六本木地区で回収された自転車が集められる、東八ツ山自転車等一時保管所に電話をかけました。
- 優しそうな声のおじいちゃんっぽい声の方が対応してくれました。自転車の特徴や時間などを告げて、その場で探しに行ってくれました。しかしながら、無いという結果に。
- ふと、「パーツにばらされてヤフオクに出品されている可能性があるかも?」と思い、フレームの次に高価なホイールの名称である「roval clx40」で検索してみました。
- そしたら、なんと同型のホイールをヤフオクで見つけました!

- なぜかフロントのみ!
- この時点では、私のホイールとは別物の可能性もあります。きれいに乗っていたため、私のと断定できるような特徴的な傷が無いためわかりません。
- しかし、出品のタイミングとこのチタンの軽量クイックレバーから察するに、私のホイールであることは状況証拠ではありますがほぼ間違いありません。


- これは、大きな1歩です。放置自転車として回収された事が否定され、警察が不要品として回収したことが否定され、盗まれたことが確実になったためです。
- そして、ホイール以外にも私のtarmacで使っていた部品がばらばらにされて出品されていました。
- ヤフオクの場合はほとんどの場合、本人確認を行わないと出品できないような規約になっています。
- この出品者の出品した日付は、なんと私が駐輪した1日目の夜中でした。1日目の夜には既に盗まれていました。
- 「自分の自転車が盗まれて、犯人が所有者になりきって出品していると想定して、以下の出品のスクリーンショットをご覧頂ければと思います。
- 説明文を読めば読むほど怒りがこみ上げてきます。ボコボコにしたいです。理由は、あたかも自分の物かのような嘘の走行距離などを記載しているのが腹立たしく思いました。「走行距離は100kmほどです」とか書いてあるけど、「嘘じゃん!」って突っ込みたくなります。
- 盗んだ人(または組織)は、自転車を盗んだこと(窃盗)にプラスして、解体(器物破損)を行っているので2つの罪を重ねております。
- この間にも、FacebookとFacebook Messenger上でたくさんの有識者の方にアドバイスを頂きました。普段は、トレーニングを一緒にする仲間で、仕事についてはお互い深く話しませんが、意外と身近に凄い職業や役職の方がいらっしゃる。持つべき物はトライアスロン友達だなと思いました。
- 自分の愛車がバラバラになってパブリックなインターネット上に晒されていると考えると、切なくなります。一種の転売ヤーか。
- しかも、高いパーツなの1円スタートで出品されているのを見ると、「そんなに安いなら落札する!」っていう気持ちになりますが、そもそもわたしの物です。
- 自分が過去に撮ったロードバイクの写真と、ヤフオクに出ているパーツの写真を見比べて、同じ傷を発見しようと細かい所までチェックしましたが、大きな傷が無くて無理でした。
- ↓過去に自転車を掃除したときに撮った写真。なかなか寄って撮らないから傷が写っている写真は少ないです。
4日目 警察に被害届を提出
- 「ロードバイク 盗難」でググると1番に表示される有名な記事があります。自転車泥棒、追い詰めた執念……「ヤフオク!」のアラートで追跡、Facebookで本人特定。自転車盗難から回収を行った事例はなかなかweb上にありません。盗難されたという報告ばかりが上がってきて、回収はほとんど行えていない感じがします。この記事では大きな傷やシリアル番号が決め手で警察が動いてくれています。
- 私の自転車は綺麗に扱っていたため、傷が少なすぎてこの部品が自分の物と立証できるような決定的なポイントがありませんでした。
- 警察が動くためには、シリアル番号が入っている必要が有ります。シリアル番号はフレームにしか印字されていません。しかし、フレームは出品されていないです。犯人は常習犯かもしれません。
- 犯人は早く売りさばきたいというためか、出品終了期限が3日というように短く設定されています。こちらも早めに動かないと他者に落札されてパーツが日本中に発送されて、犯人への糸口が閉ざされてしまう可能性があります。
- 何はともあれ、盗難されたことがほぼ確定したので警察が動いてくれることを期待して麻布警察署へ被害届を出しに行きました。
警察の回答
5分ほど待ち、担当の警察官と1時間ほど話しました。その結果、要点はこちら↓
- シリアル番号が入っていないと本人の物かどうかは断定出来ないので警察は動けない。例え、傷があったとしても、同じ傷がはいった別物もあり得るので同一の傷という理由だけでは動けない。
- 被害届は受理します。
- ヤフーオークションに相談してみて。
警察が動けない理由は、シリアル番号という世界でユニークな情報が無いと私の持ち物と断定が出来ないから踏み込めないとのこと。パーツの傷や組み合わせでは、同じパーツで同じ傷が入る可能性がゼロでは無いから、犯人に反論されたら追求出来ないため。
ということで、ヤフーにも問い合わせを投げました。
ヤフーの回答
お問い合わせ欄から、「盗品が出品されているので出品を止めて!」という主旨の連絡をしました。回答はこちら。
- 警察に相談してみて。警察からの要請があれば協力する。
まぁ、当たり前の回答ですよね。私の主張自体も客観的視点では100%では無いですし。もし、私の要求が通ってしまうのであれば悪意のあるユーザが出品を止められることになってしまうので。
ということで、公的機関とヤフオク!には期待出来ない状態になりました。
友人から「警視庁にも窃盗の窓口があるよ」というアドバイスをもらい、警視庁にも連絡してみましたが、規模が小さいと感じたようで、興味が無さそう。取り合ってくれませんでした。
5日目 新たな発見
- 犯人がヤフオクで出品しているパーツはほぼ全てが匿名配送の設定になっています。匿名配送では、例え商品を落札しても出品者と落札者の住所はお互いに知られずに済む仕組みになっています。
- しかしながら、フロントホイールの出品だけが匿名配送では無いことを友人が発見します。おそらく犯人のミスです。
- ヤフーでサブアカウントを作ってフロントホイールを落札しました。
- こちら側は、評価がゼロの新規アカウントなので入札を取り消されるリスクがありました。そこで、事前に質問欄でコミュニケーションして犯人に安心させます。「新規アカウントですけど、どうしても欲しいので誠実に取引しますのでよろしくお願いします」という感じで。
- せっかくサブアカウントを作ったので、評価が汚れても全然痛くも痒くも無いので、犯人から第三者に配送されてしまうのを防ぐために主要なパーツをほとんど落札しておきました。
- 自分の自転車のパーツを、自分で落札するという変な感覚を覚えました。もし落札して普通に決済したら、同じ自転車に2倍の費用を払うことになるのか。。。と。意味の無い計算をしたりしてました。
6日目 犯人との交渉権を獲得
- 商品を落札できたということは、犯人とメッセージをプライベートでやりとり出来る権利を手に入れたということでもあります。
- そこで商品の状態を聞くことを装ってヒアリングを開始しました。
- リアホイールはあるか?こちらに来てもらえないか?取引する日を伸ばせないか?フレームは出品しないのか?といった事を色々質問したが、新しい情報はあまり得られませんでした。



- ヤフオクの取引ナビは、お互い15通までしか送信出来ないという制限があります。
- たくさん質問していたため、あっという間に上限に近づいてしまいました。犯人が続きのやりとりをSMS(ショートメッセージサービス)でやりとりすることを提案してきました。
- SMSには電話番号が必要です。自分の個人携帯の番号を教えるのは怖いので、別の番号を用意する必要が有ります。
- 短期で電話番号を使いたいのでレンタル携帯を探しましたが即日の手配は難しく、料金も高いです。そして、犯人とのやりとりが長期戦になったときに、料金が高くなるリスクがあります。
- そこで、格安SIMと呼ばれるMVNO業者で電話番号を作る事にしました。普通、携帯を契約する時はウキウキするのに、暗い気持ちでビックカメラへ。一番固定費が安いLINEモバイルにきめましたしました。
- 色々説明を聞かされ、手続きに0.5時間、開通待ちに1時間、受け取りに0.5時間かかり、やっと入手しました。これだけの時間とお金をかけて、自転車を回収出来なかったときの事を想像すると不安になります。
- この日から「早めに自転車の回収を諦めて損切りした方が良いのでは無いか?」という問いとの葛藤が始まりました。
- このSIMを、この日の朝に届いた新品のiPhone XSに入れて使います。15万円する端末を犯人のやりとりだけに使うなんて贅沢です。自分のメイン携帯のデータ移行には時間がかかるから、中身が空っぽの新品iPhone XSを使うのが一番時間的に早いので仕方ないです。
- 匿名配送ではない商品を商品を落札しているので、ヤフオク上に犯人の住所と氏名が記載されていました。この時点では本当かどうかわかりません。

8日目 犯人に会う
- 犯人が取引を急ぐので、3連休最終日の夜中に行くことになりました。
- 対面したときに起きる最悪のケースを考えれば考えるほどこちらのリスクが大きいことがわかります。例えば、集団で待ち伏せされて凶器で脅されるとか、いきなりバットで殴られるとか。
- 待ち合わせ場所に指定されたのは綾瀬駅。

- 準備時間が短いですが、最悪の事態を想定してできる限りの準備をします。まずは、仲間。
- 理由は、偵察、目撃、いざとなったら警察官を呼ぶ、相手が集団で来たときに威圧するなどが必要なので。(なんか、中学生とか高校生のけんかみたいなノリです。考えていて悲しくなってきます。いい大人なのにこんなことしていて。。。)
- リスクは、相手の地元に行くこと。囲まれたらやばい。ボコボコにされるリスク。こちらの個人情報がばれたらやばい。
- 会う日が直近だし、対面することはボコボコにされるリスクがあるのでなかなか一緒に行ってくれる人が集まりませんでしたが、友人が2名協力してくれました。
- 窃盗犯が複数人でヤバい連中だった場合は、拉致や恐喝されるかもしれないので、身分証と財布は持っていかないで連絡を取るための携帯のみを持って行きました。
- 待ち合わせ場所の綾瀬駅に到着。土地勘が無いので、早めに行って周囲を偵察。交番があるので、待ち合わせはその近くにすることにしました。
- 駅周辺は、酔っ払った20歳ぐらいの若者が何かを叫びながら信号無視をして渡っていたり、独り言を発しながら歩いている50歳ぐらいのおじさんが居ます。怖い。
- 一緒に行った友人とはFacebookメッセンジャーでグループを作ってリアルタイムで会話を聞いてもらえる状態で臨み、何かあったときに助けてもらえるようにします。
- 改めて、達成したい事は、フレームを入手して犯人と確定すること。しかしながら、難しい場合は、とりあえず逃げられないように犯人の身分証のコピーを押さえておきたい。よって、免許証のコピーを撮らせることを条件にホイールの買い取りを提案することにしました。
- それに追加して、もし危険な感じになったら、諦めて離脱ということを共有しました。命大事に。
- 犯人としてもサンクコストがあるので、そう簡単には引かないはずと思ってました。
ついに対面!!
- こちらが先に待ち合わせ場所に到着していると、身バレして不利になるので、先に待ち合わせ場所に到着させて、人相や本当にホイールを持って来るかなどをチェックして優位にするためです。
- そして、犯人が到着。ホイールを素手で持って立ってることを遠くから友人達と確認しました。
- そして、対面。
- まず、ホイールの現物を確認しました。傷などが無いから自分の物かどうか断定出来ないですが、とりあえず新たな傷やフレは無さそうでした。なぜかタイヤが安いグレードに変わってました。私が付けていたのはContinental Grand prix 約4000円です。
- そして、私が犯人に切り出します。「以前、直接取引で偽物を買わされたことがあったので念のため身分証の写真を撮らせて欲しい」と依頼しました。回答は、「今は持っていないので、近くの自宅まで取りに行かないといけないから嫌だ」とのこと。しばらく平行線が続きました。
- この会話でわかったのは、おそらくヤフオクに登録されていた住所は正しいと言うこと。話の中で聞いた家までの時間や距離、方向が一致していました。
- 最終的には「タクシー代を出すから、取りに行ってきてよ。やましいことが無ければ、別に損する話じゃ無いしいいでしょ?」と押し切って、タクシーで取りに行かせました。
- なぜかホイールは私の手元に置いたままです。
- 30分が経過しても戻ってきません。

- このままでは犯人に逃げられてしまうという状態になってしまいましたorz
- 犯人に逃げられて、自転車のパーツを回収できない事を覚悟しました。フロントホイールだけしか返ってこないかと。これだけでは流通価格で4万円相当。
- なので、もうダメ元で、犯人へネタバレしました。
- ヤフオクで住所が見えているので、それを元に住所がわかっていると、鎌をかけました。

- 自供が獲れました!!
- 逆転サヨナラホームラン!オセロで言えば、最終局面で全部ひっくり返す感じ。この証拠さえあれば警察も動けるはず。相手の電話番号もわかっています。
- 犯人に「道で拾いました」とか言われたら万事休すでしたが、自供が取れて良かったです。(しれっと大事なことを書いています)
- この時点で、3連休最終日のAM2時。その日の朝9時からミーティングがあるのに勘弁して欲しい。一緒に来てくれた友人にも申し訳ないです。とりあえず池袋で深夜まで開店している天下一品にてラーメンをご馳走しました。
- さて、窃盗罪と器物損壊罪がどのくらいの罰則なのかを確認してみました。
窃盗罪の相場

器物損壊罪の相場

9日目 犯人に会う(2回目)
- 犯人の気が変わって逃げられる前に、できるだけパーツを多く回収するために綾瀬へ再び行きます。
- 逃げられたら、警察を動かして逮捕するが面倒だし、時間もかかってしまう恐れがあるためです。
- 回収するパーツに漏れがあると困るのでリストを作りました。意外とパーツが多くて大変でした。

- この日はフレームとハンドルを回収しました。
- フレームに貼ってあった、名前のステッカー(シール)は剥がされていました。
- その傍ら、こちらの記事ではバラバラフレーム事件が取り上げられています。
- 愛車のフレームが、切断されてこんな状態で晒されたとしたらまじ辛いです。単に盗まれて、見つからない方が幸せかも。。。

- また、身分証のコピーもゲットしました。

- 犯人に、犯行方法について聞いたところ、「青山一丁目に鍵がかかってない状態で置かれていたから、綾瀬まで自走で帰った」とのこと。何十回も嘘を付いている人の発言なので信頼性ゼロですが。
- ヤフオクに出品されていない他のパーツはメルカリなどのフリマアプリで既に売却して発送してしまっているとのことでした。
15日目 犯人に会う(3回目)
- 犯人が既に発送してしまったパーツを取り戻したりして、全部のパーツが手元に揃ったという連絡が来たので、残りのパーツを全て受け取ります。
- 今回は、行くのが面倒なので職場の近くまで持って来てもらいました。私が行くと、往復で、2時間と2,000円ぐらいの車代がかってしまい、犯人への請求額が増えてしまって未回収リスクが高まってしまうためです。
- 六本木ヒルズ森タワーのスパイダー像の下のベンチで、パーツのリストとパーツの確認を行いました。麻薬の売人みたいな気分です。。。

- これで全てのパーツが揃いました。

20日目 組み立てを依頼
- 以前から、オーバーホールに出したかった信頼の出来るお店にアセンブル(組み立て)をお願いしました。
- 店長も経緯を知っており、「ウチに来るんじゃ無いかと思ってたよ〜」とのこと笑
40日後 元の姿に戻る
- 元の状態より格段にコントロール性が良くなっている。自転車は精密機器だなぁと感じます。くみ上げる人の腕でここまで違うとは!
- 以前のロードバイクは中古で、いまいちビシッと決まった感じが無くて、コントロール性が低くワイヤーのケーブリングも微妙な感じでした。最低限は直していましたが、ゼロからやり直したかったのでちょうど良かったです。
50日目 見積もりと請求
- お楽しみの損害賠償請求の見積書の作成です。
- とりあえず作って送りました。時給単価はかなり格安での計算です。
- 本当は4倍くらいしたいです。


- 普通、減額を要求すると予想していましたが、違いました。全額払ってくれようとしています。
- そしたら、窃盗をする位なのだから支払い能力が低く。。。利息の計算方法も違うという感じです。
- 私も鬼ではないので、約50万円のディスカウント(71%引き)をしました。
- 後々、優しすぎたと反省。時間が経過すると、味わった痛みが減ってしまうので安くしすぎたなぁと。

1ヶ月後、2ヶ月後、3ヶ月後
- 滞りなく現金にて返済が行われました。
- キャッシュレス社会へ向けて国が動こうとしている中、匿名性を重視するために現金の存在は重要だなと感じました(泣)
- 今思いつきましたが、仮想通貨のウォレットなら大丈夫か。思考が悪い人と同じだ。。。
190日目 盗難届取り下げ
- 麻布警察署へ盗難届を取り下げに行ってきました。
- 盗難届を取り下げないと、町中で自分のロードバイクを乗っているときに止められて、シリアル番号で照会されると盗難届が出ている状態になってしまいます。
- 受付に「自転車が見つかったので盗難届を取り下げたい」と伝えたら、刑事組織犯罪対策課に案内されました。
- その時の担当警察官と会話したことの要点
- 警官「よく見つけましたね。珍しい!経緯を聞かせてください。」
- 私「オークションで見つけて直接取り引きして自供をとりました。」
- 警官「法律的には自転車が盗難されたら、警察として動いて戻ってくることはほとんどできない。窃盗犯に有利な状態になってしまっている。」
- 私「承知してます。」
- 警官「かなり危ないので犯人に会いに行かないでください。」
- 私「同感です。」
- 警官「犯人の名前を経緯に記録しておきたいのだけれど、差し支えなければ教えて。」
- 私「 犯人が誠実に対応していたので、記載しないで良いです。」
- その場で警察官が被害届取り下げの書類をPCで作ってくれて、はんこを押して終わり。取り下げをしたこと自体の証明書は無く、受理されたら後日に受理IDが発行されるとのこと。もし、必要なら電話で連絡するとのことでした。(面倒なので不要と伝えた)
- 警察官に、今回の対応は、慰謝料の金額的にも妥当だし、違法性は無さそうとの感想をもらいました。(請求金額が高すぎたりすると恐喝になる恐れがあるとのことなので。)
- 犯人へ被害届を取り下げたことを連絡して終わり。


アドバイス
盗まれないようにするしか無い。盗まれたら、返ってこないという考えておく。
自転車の盗難対策は他のサイトで色々紹介されているので割愛し、新たに発見した盗難対策を以下に追加しておきます。
- ロードバイクの盗難保険に入る。
- auの「すぽくる」であれば、購入後いつでも加入できるようです。掛け金は補償額に応じて異なるようです。盗難リスクがある場所に置く人にとっては安い気がします。
- ウーバーイーツをやっていたりする人とか。
- 車の中に保管
- 万が一盗難されても保険が下りる(保険の内容によってはおりない)
- シリアル番号をメモする
- フレームには必ずシリアル番号があるので控えておく。盗難届の際に必要になります。
- Dura-Aceなどの高級パーツにはシリアル番号が刻印されているので、合わせてメモしておくのが良いです。
- Alterlockを取り付ける。
- GPSによってトラッキングできます。ロック中に振動が検知されると位置情報がスマホにアラートとして飛んできます。
- そのものが取り外される可能性あり
- おとり捜査に使えそう。
- 電池は1ヶ月。サービス利用にランニングコストかかる。
- (最初、ハードウェア側とiOSのアプリに不具合が多くてトラブルシュートが大変でした。AlterLockのサポートとやりとりして、商品を交換したりして3ヶ月かかってやっと設定完了。)
- 火災保険+家財保険に入る
- 自宅敷地内に留めていて、盗まれた場合は保険が下りる。
まとめ
- 今回のケースは運が良く、3つぐらいラッキーが重なったので取り返すことが出来ました。
- 非匿名出品
- 犯人の自供
- 犯人の誠実な対応
- ご協力頂いた方々、ありがとうございました。1人だったら諦めていましたし、途中で実行不可能と判断してやめていたと思います。
コメント
はじめまして。
手元に返ってきてよかったですね。苦労されたのも伝わります。
詳しく書かれていて、いろんな方に参考になる記事だと思いました。
おせっかいかもしれませんが、気になることがあるのでコメントします。
以下の点について、記事に補足があると良いのではないかと思います。
1. 犯人とのやり取りの詳細や経緯の公開に同意は得られているのか
2. 自転車盗、転売をする者にとっても有益な情報になっているのではないか(盗難地点、出品するパーツ、犯人とのやり取りの内容・手段、など)
3. (割愛されていますが)一部でもいいのでご自身で採られている盗難に遭わないための対策を教えてほしい
(通勤に使用されていたとのことですが、その後はどうしているのか、など)
決して安くない自転車について、保管場所を用意できなかっただけでなく結果的に放置してしまった点について、その反省がまだ伝わりにくいと思います。
普段からロードバイクが止まっていても駐輪して良い場所とは限らないですし、放置自転車回収があり得る場所に大事な自転車を置いておくことが良くないのはより理解されたと思います。
また、3でも書きましたが、ご自身なりの盗難に遭わないための対策にもっと触れてほしいです。
他のサイトと同じものでも、経験談付きなのは説得力がありますし、二度と盗難に遭わない、盗ませないとの気持ちが伝わるのではないかと思います。
長文失礼しました。
こんにちは。
ブログ参考になりました。
先日私も自転車盗難にあい、メルカリにホイールが転売されているのを確認し、犯人と連絡を取り合いましたが、アカウント削除され逃げられました。。。
盗まれたのが自宅だったので家財保険がつかえ、経済的な損失はないですが、思ってた以上に精神的なダメージを受けています。。。
こんにちは。
家財保険でカバーされてよかったですね。精神的なダメージはそのうち癒えることでしょう〜
最後まで読みました。
それでも犯人は許してはいけないと思います。
はじめまして
ブログを読ませていただいました。
なぜこのブログに行き着いたかと言いますと、実は先日自分のロードバイクが盗まれてしまい警察に盗難届を提出しました。自分でもメルカリやヤフオクで転売されていないかとサーチしていたら、メルカリに自分の同じ自転車で合計8個ほどのオプションも全く同じ、傷も同じ位置についていて1000%自分のものでした。これを警察に相談したところ警察側はメルカリに聞いてみてください。という状態で、メルカリ側も最寄りの警察署に相談してくださいという状態です。(ブログの展開とおなじ)
出品者は同じ県内で受け渡しの際は直接の方がいいとの記載もありました。
警察もメルカリも当てにならないと思うのですが、やはり出品者の自供を取る方が良いのでしょうか。
自分は学生なので、出品者も大人として相手をしてくれないとも思い、親や友達にも協力してもらう方が良いのでしょうか。また、出品者の身分証を見せてもらうまでの流れをアドバイスをいただけたら嬉しいです。よろしければメールアドレスまで連絡よろしくおねがいします。
前提のおさらい
フレームのシリアル番号が一致しない限り警察は動いてくれません。また、記事にも書きましたが拾ったと主張されたらそれまでです。基本は盗まれた側はマイナススタートで、超運が良かったらプラスになるくらいです。
1.
身分証を見るためには、一通り商品の詳細を聞いて買う気満々な態度を取って「以前、偽物を直接取引で渡されて逃げられたので、念のため身分がわかるものを見させてほしいです。」と言うのが良いかと思います。もし、断られたら、「見ないと安心して買えない」というとか。走って逃げられる可能性があるので、その時はリスクを承知で追いかけるのかどうかも計画しておく必要あります。あらゆるパターンを想定して、その時にどうするかを行く人で合意を取っておきます。
2.
同行者は最低1名は必要です。多ければ多いほど良いです。必ず警察官のいる交番の近くにするべきです。
ナレッジを共有するためにここに書きます。もちろん行動は自己責任で。
わかりました
本当に丁寧な回答をありがとうございます。自分もとても大事にしていた自転車だったので何としても取り返したいと思います!アドバイスを参考にさせていただきます!また、取り返すことができたらご報告いたします笑
こんにちは。
以前コメントさせていただいたリアクトです。
少し進展があり、Yuki Matsukuraさんのように自分で犯人をみつけて解決はできなかったですが、警察より連絡があり、犯人を逮捕したとのことでした。
メルカリで接触をはかったおかげか、わたしの自転車は転売されず自宅に保管されていたようです。
こちらのブログがなければ、わざわざ接触を図らなかったと思いますのでありがとうございました。
お礼と他にブログをご覧になっているかたの参考になればとご報告まで。
それは嬉しいご報告です!!
後学のためにも、メルカリや警察へどのような連絡や連携をしたのが決め手だったかをかんたんに共有いただけると幸いです。
わたしの行動が決め手にはなっていないと思いますが、他の方に参考なれば幸いです。
経緯
①メルカリにて盗難物(ホイール)発見(傷の類似)。メルカリに連絡するも当然のごとく警察が絡まないと情報開示しないという内容のテンプレが送られてくる。
②警察に連絡するも、傷のみでは証明にならない。シリアルナンバーが一致するか確認してほしい。
③メルカリにて、シリアルナンバーを聞き出そうと犯人に接触するも、偽のシリアルナンバー(品番が違うため、すぐに偽物とわかる)を提示され追求するも、のらりくらりとかわされ、コメント削除されはじめる。
④メルカリでブロックされて、盗難品を他の人に購入させるわけにもいかないため、一発逆転、もしくはアカウント削除を狙い、自分のシリアルナンバーを相手に伝えるとアカウント削除して逃亡。
⑤警察、中古品買い取り業者にシリアルナンバーを伝え警戒を促す。
⑤警察が犯人を逮捕。家宅捜索した際に、わたしの自転車フレームを警察が発見し連絡がくる。
という感じです。
経緯のご連絡ありがとうございます。
そうですね。別経路での捜査による家宅捜索か、メルカリが裏で警察と連携をちゃんとしているのかもしれませんね。