Garmin Forerunner 965と2バンドGPS受信の精度をレビュー。かなり高精度!

Garmin Foreathlete 945

概要

  • Garmin Forerunner 965とGarmin Foreathlete 945(2世代前)のGPS精度を比較してみます。
  • 追加で別の設定、市街地環境でも調査しました。

測定条件

Garmin Forerunner 965

  • 位置情報: Best accuracy (All + Multi band)
    • とりあえず、最も精度が高い設定でどのくらい正確なのかを調査するため。
  • 記録モード: Smart

Garmin Foreathlete 945

  • 位置情報: GPS Only
  • 記録モード: Smart

測位方法に関して

現在世界では主にGPS、Galileo、Glonassという3つ種類の測位目的の衛星があります。

内閣府宇宙開発戦略機構のサイトによると、それぞれの衛星数は以下のようになっています。

  • GPS: 約30基
  • Galileo: 約25基
  • Glonass: 約25基

日本に居る限りでは、GPSに対応した「みちびき」が上がっているので無駄に電池消費を防ぐためにもGPSだけの測位にしておくのが良いです。

一般にGPSの誤差は10メートル程度とされるが、みちびきの補強電波や地上の電子基準点を併用すると1メートルに。 さらに専用受信機を使うと6センチに向上できる。

https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20211027_n01/#:~:text=%E4%B8%80%E8%88%AC%E3%81%ABGPS%E3%81%AE%E8%AA%A4%E5%B7%AE%E3%81%AF,6%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%81%E3%81%AB%E5%90%91%E4%B8%8A%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%80%82

また、測位信号の周波数帯は大きく2種類あって、低周波数帯と、高周波数帯があります。

アメリカが打ち上げているGPS衛星は昔から使われているL1、そのちょっと後から使われているL2、近年はL5が増えてきています。

ここには載っていませんが、L6の周波数は数cmの精度が出る信号の周波数帯です。(受信機が数十万年するような高額なので時計なんかには乗らないです)

「みちびき」は現在4基が運用中です。L1, L2, L5にもちろん対応しています。

Garmin Forerunner 965になると、マルチバンド受信ができるようになるのでL5とL1といった複数の周波数帯の電波を同時に受信して測位できるようになります。

日本にいる限りは、一番精度が出る「みちびき」の信号を受信できていれば良いのでマルチバンド受信に対応したからと言ってそこまで精度が上がるような気はしません。

山に行ったときに、谷間に入ってしまったときにはマルチバンドにして様々な帯域、様々な測位方法から一番精度の高い測位をしてくれるのは大変心強いです。

予想

ざっくりいうと、Garmin Foreathlete 945も「みちびき」に対応しているのでさほど変わらないと予想します。

計測1

左腕にGarmin Forerunner 965右腕にGarmin Foreathlete 945を装着して走りました。

赤坂御所、神宮外苑を走りました。距離は約10km。登り坂は80%ぐらいの主観的強度です。

ピンクの190番台の衛星が「みちびき」です。特に「199」は静止軌道になっているので常時動きません。他の3機は順番に入れ替わります。オーストラリアと日本を周回しているので南側寄りになります。

Garmin ConnectにGPSの軌跡を比較できる機能があったので軽く見てみました。これを見る限りはほとんど同じです。右腕と左腕につけているので約80cmは離れているので2本並行で大体表示されている感じがします。

青がGarmin Forerunner 965、赤がGarmin Foreathlete 945です。

しかしながら、分かりづらいのでTCXデータとしてエクスポートして、それをCSVへ変換して

https://kepler.gl/ で表示してみます。黄色がGarmin Forerunner 965、緑がGarmin Foreathlete 945です。計測を線で表示するのではなく、ドットで表示しています。

まず、記録する頻度が大きく異なりますどちらもSmartの設定になっているので程よく記録してくれていると思いましたが、Garmin Forerunner 965の方は毎秒、Garmin Foreathlete 945のほうは数秒に1回記録されています。

そして、Garmin Forerunner 965の方の軌跡はかなり正確です。ほとんど走った場所を示しています。北側が少し逸脱して表示されている感じはします。

神宮外苑は見通しが良いです。北側は大きな樹木があり、南側が遮蔽されているので精度が落ちている可能性が高いです。

(地図が間違っている可能性もあるのでなんとも言えません)

次に、住宅街の例です。左右に3回ぐらいのビルが建っている細い道です。Garmin Forerunner 965の方は綺麗に軌跡が出ています。制度が悪いとブレるのですが、ほぼ一直線を描けています。

それに比べてGarmin Foreathlete 945の方はドットが建物の上になっている場合が多いです

次に、街路樹が左右にある見通しの良い場所での計測です。1方通行の道です

行きと帰りで違う側の歩道を走ったので実際は3mぐらい離れています。Garmin Forerunner 965はほとんど直線ですし、実際も直線です。Garmin Foreathlete 945の方は一直線は描けていませんし、行きと帰りのどちらのドットかがわからないくらい同じような位置が計測されています。

Garmin Connect上で高度データを比較してみたら序盤は10mぐらいずっとズレている感じでした。後半になると収束しているのは謎ですけど、1時間ぐらい使えば同じ値に落ち着いたという結果になります。

計測2

今度は、測定の条件を揃えるために、Garmin Forerunner 965の測位方法をGPS Onlyにして、Garmin Foreathlete 945の位置情報の記録を毎秒行うようにして計測します。

ピンクの線は実際に移動した場所になります。こう見ると、どっちもどっちです。

Garmin Forerunner 965の精度がBest accuracy (All + Multi band)よりもかなり悪くなっています。

Garmin Foreathlete 945の方は前回と同じぐらいのズレです。

どちらも市街地でGPS Onlyだと数メートルから十数メートルはずれます。

計測3

見通しの良いいつもの練習場所である織田フィールドで計測したときの軌跡をチェックしてみます。

左がGarmin Foreathlete 945、右がGarmin Forerunner 965です。

別の日の練習になりますが基本的には1レーンを走行してオーバーテイクするために2レーン、3レーンを使う感じです。

両方ともインターバル練習で、レストはレーンの内側を走っています。青っぽいのが低速なのでレーンの内側です。

両方ともGPS Onlyです。軌跡を見る限りどっちもどっちです。ほぼ実際に近いです。

計測4

Garmin Forerunner 965を使って、各モードがどの程度の精度なのかを調査するために住宅地で「徒歩アクティビティ」にて、それぞれの位置測位モードを試してみました。

  • GPS only
    • ピンク
  • All + Multi-Band (Best Accuracy)
  • All Systems (Better Accuracy)

軌跡はほとんど同じです。間隔はSmartを選択しているというのもあり、4.5秒毎です。

精度に関しては、南側の道路以外は数メートルの誤差が出ています。道の真ん中を歩いているのに対して、数メートル外側に居ることになってます。

衛星地図と重ねた所。一番空の見通しが悪い南側の通路における精度が高いです。

片側だけが開けているところだと誤差が大きくなる傾向が見て取れます。

考察

上記から、Garmin Forerunner 965のBest accuracy (All + Multi band)はGPS Onlyに比べるとかなり精度が高いと言えます。

まとめ

  • Garmin Forerunner 965のBest accuracy (All + Multi band)はかなり精度が高いです
  • 干支ランをするときにはGPSの精度が非常に重要なので、年に1回は重宝しますw

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