Strava公式MCPを試してみた — Claude CodeからAIにアクティビティを読ませる(が、まだ使えなかった話)
結論から言うと
2026年5月、Stravaが公式のMCPコネクタをリリースしました。これを使うと、AIアシスタント(私が使っているClaude Codeなど)に「直近2か月のライドの距離と平均パワーを表にして」といった自然言語のお願いをするだけで、AIが私のStravaのアクティビティを読み取って答えてくれる——はずです。
ただ、正直に書いておくと、私の環境ではまだ使えませんでした。接続も認可も成功したのに、いざアクティビティを取得しようとすると「順次ロールアウト中なのでもう少し待ってね」と返ってきます。この記事では、そもそもMCPとは何かという基礎から、接続手順、そして「まだ使えなかった」という正直な結果まで、初心者の方にも分かるようにまとめます。
そもそもMCPとは?
MCPは Model Context Protocol(モデル・コンテキスト・プロトコル)の略で、AIアシスタントと外部のサービスやデータをつなぐための共通の接続規格です。Anthropic社が提唱したオープンな仕様で、最近いろいろなサービスが対応し始めています。
たとえるなら、AIにとってのUSB-Cポートのようなものです。これまでは「このAIをこのサービスにつなぐには専用の作りこみが必要」でしたが、MCPという共通の差込口ができたことで、対応サービスならどれでも同じやり方でAIにつなげられるようになりました。
つなぐと何が嬉しいかというと、AIが自分の言葉だけで答えるのではなく、実際の私のデータを読みに行って答えてくれるようになります。今回でいえば、AIが私のStravaのアクティビティ(ライドやランの記録)を直接見て、距離やパワーを集計してくれる、というわけです。
Claude Codeとは?
Claude Codeは、Anthropic社が出しているAIアシスタント「Claude」をターミナル(黒い画面のコマンドライン)から使えるようにしたツールです。私はこのブログの執筆やデータ分析にも使っています。
ふつうのチャットAIと違うのは、Claude Codeが自分のパソコンのファイルを読んだり、コマンドを実行したり、MCP経由で外部サービスにつないだりできる点です。つまり「AIに作業を手伝ってもらう」ことを前提にした道具です。
今回はこのClaude CodeにStravaのMCPをつないで、「私のライドを集計して」とお願いしてみる、という流れになります。
Strava MCPコネクタの特徴
試す前に、押さえておきたい前提が2つあります。
- 読み取り専用です。 アクティビティの取得(読み取り)はできますが、アップロードや編集はできません。AIが勝手に私の記録を書き換えてしまう心配はないので、その点は安心です。
- Stravaのサブスク会員のみ使えます。 有料会員でないと、つなげてもツールが空振りします。無料会員の方は接続しても動かない点に注意してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | Strava公式 |
| 接続先URL | https://mcp.strava.com/mcp |
| できること | アクティビティの読み取りのみ |
| できないこと | アップロード・編集 |
| 利用条件 | Stravaサブスク会員 |
インストール手順
私はClaude Codeを使っているので、以下のコマンド1行で追加できます。--transport httpはHTTP経由で接続する、strava-mcpは自分でつける呼び名、最後のURLが接続先です。
claude mcp add --transport http strava-mcp https://mcp.strava.com/mcp
上の画像は、実際にclaude mcp addコマンドを実行してStravaのMCPを追加したときのターミナル画面です。
追加できたら、Claude Codeのコンソールから/mcpと入力してMCPの一覧を出し、strava-mcpを選択します。

画像の説明:Claude Codeのコンソールで/mcpを実行すると、接続済み・接続可能なMCPの一覧が表示されます。ここに先ほど追加したstrava-mcpが並んでいるので、それを選びます。
OAuth認可
strava-mcpを選ぶと、OAuth認可を求められます。OAuthは「パスワードを直接渡さずに、特定の権限だけを安全に許可する」仕組みです。ブラウザが開いてStravaのログイン画面が出るので、内容を確認して「許可」します。今回は読み取り専用なので、許可するのは「アクティビティを読む権限」だけです。

画像の説明:ブラウザに表示されるStravaのOAuth認可画面です。「このアプリにアクティビティの読み取りを許可しますか?」という内容を確認して許可します。

画像の説明:ターミナル側でも認可リクエストの確認が表示され、ブラウザでの許可を待っている状態です。

許可するとターミナルに「接続成功(Authentication successful. Connected to strava-mcp.)」と表示されました。上の画像がその成功時の表示です。ここまでは順調です。
実際に使ってみた——が、まだ使えなかった
接続も認可も成功したので、さっそく「直近2か月のライドの距離と平均パワーを表にして」とお願いしてみました。ところが、返ってきたのは想定外のメッセージです。
eligible: false"MCPのアクセスは段階的に提供しており、順次ロールアウト中です。 今しばらくお待ちください。"つまり、接続自体は成功しているけれど、Strava側がまだ私のアカウントにアクティビティ取得の機能を開放していない、という状態でした。リリース直後によくある「順次提供」の段階で、私はまだその順番が回ってきていなかったわけです。

画像の説明:アクティビティを取得しようとしたものの、「順次ロールアウト中なので待ってほしい」というメッセージが返ってきて空振りした様子です。
正直、ちょっと拍子抜けしました……。でもこれは不具合ではなく、提供側のロールアウト待ちなので、もうしばらく待ってからリトライすれば使えるようになるはずです。使えるようになったら、この記事に実際の集計結果を追記しようと思います。
使えるようになったら何が嬉しいのか
今回は空振りでしたが、これが動くようになると、トライアスリート目線ではかなり面白い使い方ができそうです。
- 「先月のライドの平均パワーの推移を見せて」と聞くだけで集計してくれる
- 「自宅と特定の場所を往復したライドだけ抽出して」のような、アプリのUIでは少し面倒な絞り込みを言葉でお願いできる
- 取得したデータをそのまま分析につなげられる
私はこれまでも、FITファイルを自分で解析してエアロ性能を調べたり(ロードバイクの空気抵抗をFITファイルから推定してみた)、パワーの指標を比較したり(ノーマライズドパワーと平均パワーの違い)してきました。こうした分析を、ファイルの書き出しなしにAIへの一言で回せるようになるなら、ハードルはぐっと下がります。
レースの速い・遅いを偏差値で見たい方向けには、私が運営している AI Triathlon Result というサービスもあります。Stravaのデータと組み合わせて分析の幅が広がると良いなと期待しています。
よくある質問(FAQ)
Q. 無料会員でも使えますか? A. いいえ。StravaのMCPコネクタはサブスク(有料)会員専用です。無料会員が接続しても、ツールが空振りして動きません。
Q. AIに私のデータを書き換えられたりしませんか? A. 心配いりません。このコネクタは読み取り専用です。アクティビティのアップロードや編集はできない仕様なので、記録が勝手に変わることはありません。
Q. Claude Code以外でも使えますか? A. MCPは共通規格なので、MCPに対応したAIクライアントであれば理屈の上では使えます。この記事では私が普段使っているClaude Codeでの手順を紹介しました。
Q. 「接続成功」と出たのに動かないのはなぜ? A. 私もそうでした。接続・認可と、機能の開放(ロールアウト)は別物です。リリース直後は順次提供のため、接続できても取得が空振りすることがあります。少し待ってからリトライしてみてください。
Q. OAuthって安全なの? A. OAuthはパスワードそのものを相手に渡さず、「アクティビティを読む」など必要な権限だけを許可する仕組みです。今回は読み取り権限のみなので、許可する範囲も限定的です。
まとめ
- 2026年5月、Strava公式のMCPコネクタがリリースされました。AIに自分のアクティビティを読ませて集計・分析できるようになる仕組みです。
- MCPはAIと外部サービスをつなぐ共通規格(AIにとってのUSB-Cのようなもの)、Claude Codeはターミナルから使えるAIアシスタントです。
- 接続先は
https://mcp.strava.com/mcp、読み取り専用で、Stravaサブスク会員専用です。 claude mcp addで追加し、OAuthで認可するところまでは簡単に成功しました。- ただし私の環境ではまだ機能が開放されておらず、取得は空振りしました。順次ロールアウト待ちなので、少し待って再挑戦する予定です。
- 使えるようになったら、実際の集計結果をこの記事に追記します。