トランジションで5分損する人、1分で済む人の違い

T1とT2で何をするのか#

トライアスロンには2回のトランジションがあります。T1(スイム→バイク)とT2(バイク→ラン)です。初心者にとってこのトランジションは「着替えの時間」程度の認識かもしれませんが、実際にはやるべきことが多く、ここでの手際の良し悪しでタイムが大きく変わります。

T1でやることは、海またはプールから上がる、ウェットスーツを脱ぐ、ヘルメットを被る、サングラスをかける、ゼッケンベルトを付ける、バイクシューズを履く、バイクをラックから外す、乗車ラインまで走る、バイクに乗る。文字にするとこれだけあります。

T2は、バイクを降りる、ラックにかける、ヘルメットを脱ぐ、バイクシューズを脱ぐ、ランシューズを履く、走り出す。T1よりはシンプルですが、バイクで疲れた状態で行うので手間取りやすいです。

私はトランジションを「第4の種目」だと考えています。スイム・バイク・ランで2〜3分縮めるのは練習を積んでもなかなか大変ですが、トランジションはやり方を変えるだけで同じだけの時間が稼げます。コストパフォーマンスは群を抜いていいです。

初心者期と慣れてからの差#

「トランジションタイム」と一言で言っても、大会ごとにトランジションエリアの広さや動線が全然違います。スイム上がりからバイクラックまでの距離、ラックから乗車ラインまでの距離、ランコース出口までの距離。レース間で生のタイムを直接比べてもあまり意味はありません。比較するなら、同じレース内で似た総合タイムの選手と並べるのがフェアです。

その前提で言うと、私の初レースのトランジションは、上位選手と比べてT1+T2でかなりロスしていました。理由を思い出すと、

  • ウェットスーツが足首で詰まって脱げない(焦って力任せに引っ張ると脚が攣ります…私の実体験です)
  • ヘルメットのバックルが、手が震えてうまく留まらない
  • バイクシューズに足がうまく入らない(後述しますが私はバイクシューズをペダルに付けっぱなしにしているので、濡れた足を差し込む動作が意外と難しい)
  • バイクラックの位置が分かりにくく、何度か迷った(レーンを1本間違えると数十秒〜数分の無駄ロス)

——どれも「準備と慣れ」で消える種類の時間ロスです。逆に言えば、この記事のテクニックを覚えて軽く練習しておくだけで、同じレース内で上位選手とほぼ同等のトランジションができるということ。スイム・バイク・ランで同じ秒数を縮めるよりはるかに簡単です。

自分のトランジションが客観的に速いかどうかを知りたいなら、私が運営している AI Triathlon Result を使うのが手っ取り早いです。出場した大会でトランジション計測がある大会を選んで、自分の偏差値を見てみれば一目瞭然。偏差値という見方そのものはレースリザルトを偏差値で見るに書きました。

時短テクニック1: 結ばないシューレースに交換する#

最も効果が大きいのがこれです。ランシューズの靴紐を結ばないタイプに交換します。紐を結ぶ動作が完全になくなるので、T2で30秒以上短縮できます。バイクシューズも紐タイプなら交換した方がいいです。

結ばないシューレースは大きく2系統あります。

  • 単純なゴム紐タイプ(一般的なロックレース): 500円程度から手に入り、最も安価で入手しやすいです。ただし締め付けの調整がしにくいのが弱点で、一度固定するとちょうどいい締まり具合に微調整するのが意外と面倒です。
  • 機構付きタイプ: 私が長く愛用していたのは Greeper Laces です。一瞬で自分の好みの締付具合にできて秀逸でした。残念ながら現在は発売中止になったようで…悲しいです。後継としては Lock Laces(トグル式)のように、ストッパーで好みのテンションに固定できるタイプがおすすめです。
  • おすすめしないタイプ: ゴム紐に団子状の結び目が並んでいるタイプ(Caterpy など)。見た目はおしゃれで人気もありますが、きつすぎたり緩すぎたりで、ちょうど良いテンションで止められないのが致命的でした。シューレース選びでは見た目より「自分の好みの締め具合で固定できるか」が決定要因だと思っています。

余談ですが、Greeper があれだけ良かったのになぜ広まらなかったのか、個人的にずっと謎です。見た目がちょっとゴツくて重さがあったこと、そして直感的に使い方が伝わりにくかったあたりが原因かなと思っていますが、それにしても惜しい製品でした。Greeper 愛用者だった方が今どう乗り換えているのか、私も知りたいくらいです。

今振り返ると、気に入っていた頃に2、3個まとめて買っておけば今でも現役で使えていたはずです。気に入った道具こそ早めにスペアを確保する、というのも長く続ける趣味の教訓ですね。

予算重視ならゴム紐タイプでも十分時短になります。フィット感まで欲張るなら機構付きを試してください。いずれにしても、500〜1500円程度の投資で確実に30秒以上短縮できるアイテムは他になく、トライアスロンを始めると決めた日に真っ先に買うべきものです。

時短テクニック2: ヘルメットをバイクにセットしておく#

T1で意外と時間がかかるのがヘルメットを被る動作です。バッグから取り出して、向きを確認して、被って、バックルを留める。焦っていると手間取ります。

私のやり方は、ヘルメットのストラップをドロップハンドルに引っ掛けておくことです。バックルを事前に緩めておけば、T1でバイクのところに来たときに、引っ掛けたヘルメットをそのまま取ってかぶるだけで済みます。

ドロップハンドルにヘルメットのストラップを引っ掛けた状態。バックルを緩めておけば、取ってそのままかぶれる

実際にトランジションエリアを見渡すと、上位選手の多くも同じやり方です。ヘルメットの白い丸がドロップにずらりと並びます。

トランジションエリアの様子。多くのバイクで、ドロップハンドルにヘルメットが引っ掛けてあるのが見える

サングラスはヘルメットの中に入れておくか、バイクのトップチューブに仮留めしておくと、ヘルメット装着と同じタイミングでサッと取れます。

この方法だと、ヘルメットとサングラスの装着が数秒で終わります。普通にバッグから取り出して向きを直して被ると15秒以上かかるので、10秒以上の短縮になります。

時短テクニック3: ゼッケンベルトを使う#

ゼッケンベルトはトライアスロンの必需品だと思ってください。理由はいくつかあります。

  • ウェアに穴を開けずに済む: トライアスロンウェアは薄手で高価です。ピンで留めるとどうしても穴が残ります
  • バイクとランの切り替えが回転だけ: ベルトに番号を取り付けておけば、バイクは背側・ランは前側にくるっと回転させるだけで済みます
  • ピン外れの事故が起きない: ピンが走行中・スイム中に外れて落ちる、というレース定番の事故から解放されます

私はマラソンに出るときも、以前はゼッケンベルトを使っていました(一度味わうとこの着脱の楽さがクセになります)。最近は寒い時期のマラソンだと、ゼッケンをプラスチックのゼッケン留めでお腹あたりに装着し、お腹の保温対策も兼ねて使っています。ピンを使わないのでこちらもウェアに穴は開きません。

具体的な使い方は別記事に【図解】ゼッケンベルト (ナンバーベルト)の使い方としてまとめました。初めて買うと「これ、どう装着するんだ?」と意外に迷うので、レース前に読んでおいてください。

ゼッケンベルトのロック機構部分。コードに紙ゼッケンを通して固定する

コツ: スイムの時からウェットスーツの下に装着しておく#

私のやり方は、ゼッケンベルトをスイム前から着けたままスタートすることです。ウェットスーツの下に巻いておき、ゼッケン本体は小さく折りたたんでおきます。こうすると、T1で「ベルトを取って装着する」動作そのものが消えます。ウェットスーツを脱いだ瞬間、もう装着済みの状態なので、あとはバイク時は背側、ラン時は前側に回すだけです。

折りたたんだゼッケンは、トランジション後に広げます。紙のゼッケンが破れないか心配になる方もいると思いますが、私の経験上、しっかり折って体に密着していれば問題ありません。

時短テクニック4: 靴下を履かない#

T2で靴下を履く動作は、足が濡れている状態だと20秒近くかかります。靴下を諦めれば、その分丸ごと短縮になります。

私はショート(スプリント・オリンピック)は基本的に靴下なしで走ります。10km程度の距離なら水ぶくれせずに走り切れる、というのが私の経験則です。

ただしこれは「ぶっつけ本番でいきなり素足」ではありません。事前にランシューズで裸足ランを何度も繰り返して、足の裏や指の皮膚を固くしておく準備が必要です。私はこれを地道に続けて、本番でマメを作らない足裏を作りました。ワセリンやテーピングといった当日対策は応急処置で、根本は皮膚側の準備です。

私は IRONMAN(ロングディスタンス)でも、靴下を抜く前提でバッグを準備したことがあります。バイクバッグに「靴下は要らない」とメモを貼り、ゼッケンベルトも「バイクでは不要」なのでランバッグへ移し替えました(IRONMAN ケアンズの準備)。距離が長くなるほど「ほんの数十秒の短縮より、当日の負担を減らすほうが大事」という観点も増えてきますが、それでも靴下省略は基本トライです。

どうしても靴下が必要な場合は、薄手の靴下を事前にシューズの中にセットしておきます。シューズを履く動作の中で靴下も一緒に履けるので、別々にやるより速いです。

失敗談: 濡れ路面と靴下の最悪コンボ#

ロングディスタンスのレースで、着替えテントからバイクラックまで距離があり、しかも地面が濡れていたことがありました。テントの中で靴下を履いてから歩いてラックに向かったら、バイクに着く前に靴下が濡れてしまったのです。そのままバイクに乗ったので脚がふやけ、続くランでは足裏がふやけ+擦れの痛みで超辛い時間を過ごしました…。

教訓は、テント側で靴下を履くならバイクシューズも履いた状態でラックまで歩くか、もしくは靴下はテントで履かずに、バイクラック側で履く(バイクバッグや、シューズの中に仕込んでおく)こと。ロングほど「会場のレイアウト」が想定外の落とし穴になるので、前日下見で地面の状態と動線をしっかり確認するのが地味に効きます。

IRONMAN ケアンズの反省でもうひとつ学んだのが、ランバッグに予備の靴下を入れておくことです。T1で靴下が濡れた・破れたといったトラブルがあった場合に、T2で履き替えられるので保険として効きます。

これを一段抽象化したロングの大原則は、「予備を用意しておけばしておくほど、予期しない事態に対処できる」です。靴下に限らず、予備のジェル・サングラス・キャップ・チューブ/タイヤ・小ボトルのチェーンオイル・小さなタオル…ロングほど想定外の連鎖が完走やタイムを左右します。バッグ容量が許す範囲で、できるだけ保険を積んでおくのが賢明です。

IRONMAN ケアンズのバイクギアバッグに入れたヘルメット・2XUゼッケンベルト・靴下。ロングは前夜のバッグ詰めから勝負が始まる

時短テクニック5: ウェットスーツの脱ぎ方を練習する#

T1で最も時間がかかるのがウェットスーツを脱ぐ動作です。初心者が苦戦するポイントは足首です。ウェットスーツの足首部分は狭いので、焦って引っ張ると裏返ったまま詰まります。

効率的な脱ぎ方の手順はこうです。まず海から上がりながら走る間に、ファスナーを下ろして上半身を脱ぎます。腰まで下げた状態でトランジションエリアに入ります。自分のバイクの前に来たら、ウェットスーツを腰から一気に膝まで下ろします。片足ずつ踏んで脱ぎます。この「踏んで脱ぐ」がコツです。手で引っ張ると時間がかかりますが、片足で反対の足のウェットスーツを踏みつけて足を引き抜くと一瞬で脱げます。

会場は気温が高く汗ばんだ肌にスーツが張り付いてとても着づらいので、本番でいきなりやらず事前に何度か脱着練習をしておくと当日の安心感が違います。ウェットスーツ自体の選び方や着脱の注意はウェットスーツの選び方に詳しくまとめました。

時短テクニック6: トランジションの動線を決めておく#

意外と見落とされがちですが、トランジションエリアでの動きをあらかじめ決めておくことが重要です。「自分のバイクに到着 → まず何をする → 次に何をする → 最後に何をする」という順番を決めて、頭の中でリハーサルしておきます。

私のT1の動線はこうです。バイクに到着 → ヘルメットを被る(サングラスも) → バイクをラックから外す → 乗車ラインへ走る。4ステップです(ゼッケンベルトはスイム前から着けているので、ここでは触りません)。T2は、バイクをラックにかける → ヘルメットを脱ぐ → ランシューズを履く → 走り出す。これも4ステップ。

レース前日にトランジションエリアを下見できる場合は、実際に歩いてみることをおすすめします。バイクラックから乗車ラインまでの距離、T2からランコースの出口までの距離を把握しておくと、当日の動きがスムーズになります。

特に重要なのが、スイムアップから自分のバイクまでの導線を何度も確認しておくことです。バイクラックは似た光景がズラッと並んでいて、思った以上に分かりにくいです。私も何度か迷ったことがあります。レーンを1本間違えるとそれだけで数分のロスになるので、目印(柱・看板・特定の番号レンジ)と自分のラック位置の関係を、ぶつぶつ唱えるくらい刷り込んでおくと安心です。

おまけ: 散歩中に周りの選手のセットアップを観察する#

トランジションエリアの散歩には、動線確認以外にもう一つ大きなメリットがあります。周りの選手のセットアップを観察できることです。シューズの並べ方、ヘルメットの置き方、補給ジェルの本数、ハイドレーションの種類や位置、ゼッケンベルトをどう仕込んでいるか…選手によって全然違っていて、これがとても勉強になります。

特に同年代・同レベルのライバルのバイクやシューズの設定を覗かせてもらうと、自分に取り入れられるアイデアが転がっています。「あのジェルの本数は多すぎないか?」「あのハイドレーション位置は試す価値ありそう」など、本やネット記事では拾えない実地の知見が得られます。レース前の散歩は、コース確認と学習の両方を兼ねるおいしい時間だと思って、ぜひ時間を取ってください。

トランジションエリアの実例。ヘルメットをハンドルバーに引っ掛け、バイクシューズは前輪の前に置いてあるセットアップ

ちなみに余談ですが、エイジグループで表彰圏内に入ると、翌年同じ大会でバイクラックの位置が出入口寄りに優遇されることがあります(完走/表彰のメリットに書きました)。地味ですが、ロングで出入口に近い数十秒の積み重ねは馬鹿になりません。

時短テクニック7: バイクシューズをバイクに付けておく(上級・低リターン)#

最後は毛色の違う「やってみたくなるけどコスパが微妙」なテクニックです。正直に言うとリスクが大きく、効果は限定的です。

やり方: バイクシューズをペダルに装着したまま、ゴム紐や輪ゴムで地面と平行に仮固定しておきます。トランジションではバイクを持って乗車ラインまで走り、ジャンプ乗車してから走りながら片足ずつシューズに差し込み、ベルクロやBOAを締めます。これでトランジションエリアで「シューズを履く」動作そのものが消えます。

ただしリスクと効果のバランスが悪い:

  • 乗車直後はバランスを崩しやすく、落車リスクがあります。マウントラインで転倒する人は毎レース見ます
  • 走りながら片足ずつシューズに足を入れる動作は難しく、脚も攣りやすい
  • 濡れた足を小さなシューズ口に差し込むのが想像以上に苦戦
  • それでいて時短効果はせいぜい10秒程度。普通にトランジションで履いてもベルクロなら数秒です

つまり「リスク高・効果低」、見た目はかっこいいですが割に合わない部類のテクニックです。1秒でも削り出したい上級者・年代別優勝を狙うレベル向けと割り切るのが正しい姿勢だと思います。私自身もたまに使いますが、本番で初めて試すのは絶対にやめてください。練習なしのぶっつけ本番だと、ワーストケースで「転倒→DNF」もありえます。

距離で「時短 vs 準備」の比重が変わる#

トランジション戦略でいちばん意識してほしいのが、ショート/ミドル/ロングで「時短重視」と「準備重視」の比重が大きく変わるということです。距離が短いほど時短優先、長くなるほど準備の丁寧さに重みが移ります。

  • ショート(スプリント・オリンピック): 競技時間が短いので、時短優先。やることを徹底的に削ぎ落とします。靴下を諦める、ビンディングをやめる、削れる動作はとにかく削る。たかが30秒でも全体タイムへの比率が大きいので価値があります。デュアスロンのカーフマン南関東では、バイクが30kmと短かったのでランシューズのままバイクに乗りました。
  • オリンピック: 標準形。本記事の6つのテクニックがちょうど効きます。
  • ミドル: 中間ですが、考え方はロング寄りの「準備重視」が基本。時短は当たり前にできる範囲だけ取りにいきます。
  • ロング/IRONMAN: 競技時間が圧倒的に長いので、準備優先。準備に+3分かけても、それで競技中のストレスやトラブルを防げるならお釣りが来ます。前夜のバッグ詰め、シューズへの靴下事前セット、ラック位置の目印を頭に焼き付ける、地面状況の確認…全部丁寧にやって損はありません。バイクバッグ・ランバッグの分け方も勝負どころで、IRONMAN ケアンズの準備では靴下不要メモやゼッケンベルトの移し替えを前日に詰めました。

先ほどの「濡れ路面と靴下の最悪コンボ」失敗談もまさにこの原則です。ロングだからこそ「テント→ラックの地面状況」をあと30秒だけ下見しておけば、その後の数時間の苦痛は消えていました。短い距離ほど削る、長い距離ほど丁寧に——これが私のトランジション哲学です。

バイク機材とトランジション直後の補給#

時短は機材セットアップでも稼げます。

  • ハイドレーション: 外付けの後付けボトルはトランジションで脱着が必要で、ロスになりがちです。一体型・フレーム内蔵だと装着の手間が減ります(空力面の比較はハイドレーションの設置場所による空気抵抗の違い にまとめました)。
  • T2直後の補給は急がない: バイクからランに切り替えた直後は血流が筋肉に取られて胃腸に回らないので、ジェル等を入れると気持ち悪くなりがちです。私は「ランに入って2〜3分落ち着いてから」を原則にしています(背景はロングの補給と給水理論値)。

トランジション練習をする価値#

正直に言うと、初レースの前にトランジション練習をしている初心者はほとんどいません。スイム・バイク・ランの練習で手一杯だからです。でも、30分でもいいからトランジション練習をしておくと、当日のパフォーマンスが全然違います。

自宅でできる簡単な練習方法があります。バイクウェアを着た状態で、ヘルメットを被る → 脱ぐ → ランシューズを履く → 脱ぐ、を5回繰り返す。これだけで動作が身体に染み込みます。実際のレースでは緊張と疲労で手が震えますが、練習した動作は身体が覚えてくれます。

上級者ほどトランジション練習を地味にこなしています。スイム・バイク・ランで何分も縮めるのは大変ですが、トランジションは「ちょっとした準備と反復」で確実に短縮できるからです。

よくある質問#

トランジションで一番効果の大きい時短は?#

迷うことなく、ランシューズの靴紐を結ばないタイプに交換することです。500円程度のゴム紐タイプから、機構付きで締付調整がしやすいタイプ(Greeper / Lock Laces 等)まで選択肢はありますが、どれを選んでも T2 が確実に30秒以上短縮します。練習量も不要なので、初心者ほど最初に手を出すべきです。

靴下は本当に履かなくて大丈夫?#

ショート(スプリント・オリンピック)なら、私は靴下なしで走っています。ただしいきなり本番ではなく、普段から裸足ランニングを繰り返して足の裏や指の皮膚を固くしておく準備が必要です。これをやらずにぶっつけ本番だとマメ確定です。距離が長くなる(ハーフ・ロング)ほど、無理せず履くか、シューズ内事前セットで時間を抑えるのが安全です。

ゼッケンベルトは必須?#

実質、必須です。ピンで都度留めるとT1/T2で1分以上ロスしますし、ピンが外れて落ちる事故もあります。使い方は専用記事を参照してください。

トランジション練習はどこでやればいい?#

自宅で十分です。バイクウェア+ヘルメットの着脱、ランシューズの履き替えを5回反復するだけでも違います。可能なら屋外でバイクを使った乗車・降車の練習も加えると、本番で焦りません。

まとめ#

  • トランジションは「第4の種目」。大会ごとに広さが違うので生タイムの横比較は意味が薄いが、同じレース内では初心者と上級者で平気で数分差がつく
  • ロックレース・ヘルメットのセット方法・ゼッケンベルト・靴下なし・ウェットスーツの踏み脱ぎ・動線の事前決定の6つの基本テクニックで合計1〜2分は短縮できる。+1の上級テク「バイクシューズをペダルに付けたまま乗る」は10秒短縮にリスクが伴うのでお好みで
  • 距離で戦略は変わる。スプリントは「履き替えない」、ロングは「バッグの中身を前日に詰め切る」がカギ
  • バイクの機材選び(ハイドレーション設置)やT2直後の補給タイミングも、地味にロスや失速を減らす
  • トランジション練習は30分で十分。自宅での着脱反復だけでも効果がある
  • トランジションで2〜3分稼ぐのは、スイム・バイク・ランで10分縮めるよりはるかに簡単で確実
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