初レースの目標タイムの決め方 — 完走以上、入賞未満のリアルな基準

結論:初レースの目標は「完走」でいい#

トライアスロンの初レースにエントリーした。練習も始めた。でも「何時間くらいでゴールできるんだろう?」「どのくらいのタイムを目指せばいいんだろう?」という疑問が湧いてきます。結論から言うと、初レースの目標は「完走」で十分です。それ以外は全部ボーナスです。

とはいえ、ざっくりした目安タイムを知っておくことは役に立ちます。この記事では、距離別の目安タイムと、3段階の目標設定の考え方を私の初レース体験と共に紹介します。

各距離の初心者目安タイム#

各距離の「初心者が普通に完走した場合」のおおよその目安です。個人差はありますが、参考になるはずです。

距離内容初心者目安タイム制限時間の例
スプリントS750m/B20km/R5km1時間20分〜1時間40分2時間〜2時間30分
ODS1.5km/B40km/R10km2時間50分〜3時間30分3時間30分〜4時間30分
ミドルS1.9km/B90km/R21.1km6時間〜7時間30分大会により異なる

ミドルを初レースにするのはおすすめしません。まずODを数回経験してからの方がいいです。

私の初レース(2014年 横浜トライアスロン)#

私の初レースは2014年の横浜トライアスロン(OD)です。総合タイムは 2時間35分32秒(総合236位)でした。

  • スイム 1.5km:28分02秒
  • バイク 40km:1時間10分25秒
  • ラン 10km:57分05秒

横浜トライアスロン2014のリザルト表。236位、総合タイム2:35、年代別30-34歳男子で記録が残っている。これが私の初トライアスロンの公式記録

ランが遅めに見えますが、これはコースの周回数を1周多く走ってしまったためです。初歩的なミスですが、よくあることです。詳しくは初レースまでの12週間トレーニングプランに書きました。

トランジションはまだ手間取っていましたが、それでも2時間半台でゴールできました。初レースとしては十分な結果です。自分のタイムが平均と比べてどのくらいかを確認したい方は、レース偏差値ツールも使えます。

目標の3段階#

初レースの目標は3つのレベルで設定するのがおすすめです。

Level 1:完走する#

これが最も重要な目標です。制限時間内にゴールすること。タイムは関係ありません。途中で歩いてもいい。平泳ぎに切り替えてもいい。とにかくゴールゲートをくぐることです。

個人的には、初レースの最大の目標はこれでいいと思っています。完走できれば、そこから先は全てボーナスです。

Level 2:制限時間の8割以内#

制限時間が4時間の大会なら3時間12分以内。これは「余裕を持って完走した」と言えるラインです。ペース配分がある程度できて、最後まで大きく崩れなかった証拠になります。

Level 3:年代別上位50%#

レースのリザルトは年代別に集計されることが多いです。自分の年代(25〜29歳、30〜34歳など)の中で上位半分に入ること。これは初レースの目標としてはかなり挑戦的ですが、運動経験がある人なら不可能ではありません。

ただし、Level 3を意識しすぎるとレースを楽しむ余裕がなくなります。初レースではまずLevel 1を確実にクリアして、結果としてLevel 2やLevel 3に届いていたら嬉しい、くらいのスタンスがちょうどいいです。

ODの各種目の目安タイム#

ODを初レースに選ぶ人が多いので、各種目の目安タイムをもう少し詳しく書いておきます。

スイム 1.5km:30〜40分#

プールで1500mを30分で泳げる人でも、OWSでは35〜45分かかることがあります。波、他の選手との接触、方向確認のためのヘッドアップ、精神的な緊張。全てがプールより遅くなる方向に働きます。初レースなら35分前後を目安にしておくのが現実的です。

T1(スイム→バイク):3〜5分#

ウェットスーツを脱いで、ヘルメットをかぶって、バイクシューズを履いて、バイクを押してマウントラインまで走ります。初心者は3〜5分かかるのが普通です。ウェットスーツの脱ぎ方を事前に練習しておくと、ここで1〜2分短縮できます。

私が毎回手こずるのが、ウェットスーツの最後、脚を抜くところです。足首あたりが引っかかって抜けにくく、無理に引っ張ると太ももや足裏が攣りそうになります……。スイム直後は脚が攣りやすい状態なので、焦って力任せに脱ごうとすると本当に攣ります。足首まで一気に下ろしてから片脚ずつ踏んで抜くと、比較的スムーズです。脱ぎ方のコツはトランジション時短テクニックにまとめています。

バイク 40km:80〜90分#

平均時速27〜30km/hくらいが初心者の目安です。コースの起伏や風の影響で大きく変わるので、あくまで参考値です。後半にペースが落ちるのは普通のことなので、前半は飛ばしすぎないことが大切です。

T2(バイク→ラン):2〜3分#

バイクシューズからランニングシューズに履き替えます。T1よりシンプルですが、バイクで疲れた状態なので手先が思うように動かないことがあります。ゼッケンベルトの装着を忘れないようにしてください。ゼッケンベルトがあると、ゼッケンを付け替える手間なくクルッと回すだけでラン用に切り替えられます。詳しくはゼッケンベルトの使い方にまとめています。

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ラン 10km:50〜60分#

バイクの後のランは「ブリックラン」と呼ばれる独特のきつさがあります。正直に言うと、バイクの後のランは身体が別人になったように感じます……。最初の1kmは脚が鉛のように重く、普段10kmを50分で走れる人でも55〜60分かかることは珍しくありません。ただ、私の経験では1.5kmあたりからいつもの調子に戻ってきます。「最初だけきつい」ということを知っておくと、レース中に焦らずに済みます。この感覚に体を慣らすにはブリックトレーニングが効果的です。

2レース目以降の目標設定#

初レースを完走したら、次はタイムを意識し始めるフェーズです。2レース目以降の目標設定は、初レースのリザルトを基準にすると立てやすいです。

伸びしろが大きいのはトランジションとバイク#

初レースのリザルトを種目別に見て、どこに最も伸びしろがあるかを考えます。初心者が最も伸びやすいのはトランジションとバイクです。

トランジションは練習すれば確実に短縮できます。T1で5分かかっていたのが2分になれば、それだけで3分短縮です。バイクはポジションの調整やペダリング技術の向上で、同じ体力でも速くなれます。

スイムは技術的な要素が大きく、短期間での大幅な改善は難しいです。ランは元々のランニング経験による部分が大きいです。

総合タイムの10%改善を目指す#

2レース目の目標として、総合タイムの10%改善は妥当なラインです。初レースが3時間なら2時間42分を切ること。各種目で2〜3分ずつ短縮すれば達成できる計算です。

よくある質問#

Q. ODとスプリント、初レースはどちらがいいですか?

不安が大きいならスプリントから始めることをおすすめします。スプリントで完走の感覚をつかんでからODに進む方が、焦りなく楽しめます。ただし、運動習慣があってスイム・バイク・ランをある程度こなせるなら、最初からODに挑戦しても問題ありません。

Q. 目標タイムを練習段階で予測する方法はありますか?

各種目の練習タイムを参考にしてください。スイムはプールでの1500mタイムに10〜20%加算、バイクは平均速度から計算、ランは普段の10kmタイムに10〜15%加算が目安です。トランジションを合計5〜8分で計算すると、おおよその予想タイムが出ます。レース後に偏差値ツールで自分のポジションを確認してみてください。

Q. ペース配分で失敗しやすいポイントはどこですか?

バイクの序盤の飛ばしすぎが最も多い失敗です。レース当日はアドレナリンが出ていて実際より楽に感じます。バイク前半は「物足りないくらい」のペースで入り、後半に脚が残っているか確認してからペースを上げる方が賢明です。

まとめ#

  • ODの初心者目安タイムは2時間50分〜3時間30分。スプリントは1時間20分〜1時間40分
  • 初レースの目標は3段階:Level 1「完走」→ Level 2「制限時間の8割以内」→ Level 3「年代別上位50%」
  • ODの各種目目安:スイム30〜40分、T1が3〜5分、バイク80〜90分、T2が2〜3分、ラン50〜60分
  • 2レース目以降はトランジションとバイクから改善するのが効率的
  • 初レースの最大の目標は「完走して次もやりたいと思えること」。タイムは2回目から気にすればいい
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