ハイドレーションの設置場所による空気抵抗の違い
概要
LUMINA 2015年6月号にspeedfilの面白い広告が載っていました。
それは、ハイドレーションの設置場所による、空気抵抗の違いが定量的に計測されたグラフ。なんと、Bに設置すること以外は、空気抵抗が減るようです!
グラフのバーが短ければ短いほど、空気抵抗が少ないということです。
BとCの違いは小さそうなのに、全然違うことがわかります。空気抵抗を減らすか、増やすか。。。!
ハイドレーションを設置する場所にちょっと気をつけるだけで、空気抵抗を減らせますね!理論的には、A、C、D全部に設置すれば、相乗的に空気抵抗が減ることになるのかな。。。。?
詳細な位置別解析
この広告を見て、実際にShivで色々試してみました。200kmほど乗ってみた実感と合わせて、それぞれの位置について分析してみようと思います。
位置A:ダウンチューブ内蔵
これはShivの最大の特徴ですね。フレーム内に完全に格納されるので、空気抵抗的にはベストポジションらしいです。実際乗ってみても、ハイドレーションがあることを忘れるくらい自然です。
ただ、問題もあります。バッグの臭いがきつくて、真水だと口の中にプラスチックの味が残って気分が下がる。。。あと、フレーム内に入れるときのホースの取り回しがちょっと面倒です。最初の頃はホースがプラプラして、フロントブレーキにホースが挟まったりして大変でした。
容量は2.5Lくらい入るので、ロングレースでは心強いです。しかも、逆流防止弁を付ければ、飲み過ぎることもないし。
位置B:シートチューブ後ろ
これが一番空気抵抗が増える位置だそうです。確かに理論的に考えても、ライダーの後ろの乱流域に大きなボトルを置けば、空気の流れを更に乱すことになりそうですね。
実際、昔ロードバイクでシートチューブにボトルケージを付けてた時期がありましたが、なんか後ろが重い感じがしてました。心理的なものかと思ってましたが、実際にデータで裏付けられるとは。。。
位置C:ハンドルバー前方
これはエアロバーの先端に取り付ける位置ですね。BetweenTheBarsnの製品とかがこのタイプです。空気抵抗的には悪くないみたいですが、重心が前に来すぎて、バイクの操縦性に影響が出そうです。
あと、転倒した時にライダーとハイドレーションが直接激突する可能性があるので、安全面でちょっと心配です。実際、TTポジションだと視界も狭いので、とっさの時の判断が遅れがちになります。
位置D:フレーム下部
これはBB付近にマウントする位置かな?確かに、空気の流れを考えるとフレーム下は負圧域になりやすいので、ハイドレーションを設置しても抵抗増にならないのかもしれません。
でも、メンテナンス性は最悪ですね。チェーン油とか道路の汚れが直接かかるし、転倒時に真っ先に地面に激突する部分です。実用性を考えると、あんまりおすすめできないかなと。
実際のレースでの使い分け
オリンピックディスタンス(51.5km)
正直、この距離ならハイドレーション無しでも行けます。でも、暑い日や給水ポイントが少ないコースでは、やっぱりあった方が安心。位置Aのダウンチューブ内蔵一択ですね。容量も1L程度で十分だし、空気抵抗も最小限に抑えられます。
ミドルディスタンス(70.3km)
この距離になると、ハイドレーションは必須です。位置Aで2L程度積んで、エイドステーションでの補給と合わせる感じ。暑い日だと、帰りに1.5L買い足したこともあります。
ロングディスタンス(180km)
これはもう、ハイドレーション戦略が勝負を分けます。位置Aをメインにして、理論通りなら位置C、Dも併用すれば相乗効果で更に空気抵抗が減るのかも。ただ、実際は重量増とのバランスも考えないといけないので、コースの給水ポイントの配置を事前にチェックして、最低限の量に留めるのがベストかな。
空気抵抗以外の考慮点
重量バランス
ハイドレーションの重量配置は、バイクのハンドリングに大きく影響します。特に位置Cのようにハンドル前方に重量が集中すると、登りでのダンシング時にフロントが持ち上がりにくくなります。逆に位置Bだと、後輪荷重が増えてトラクションは良くなるかもしれませんが、全体のバランスが悪くなりがちです。
やっぱり位置Aのダウンチューブ内蔵が、重心位置的にも一番理想的ですね。BB周辺に重量が集中するので、バイク本来のハンドリング特性を損ないません。
メンテナンス性
これも重要なポイント。位置Aは最初のセッティングこそ面倒ですが、一度決まってしまえばメンテナンスフリーです。ホースの取り回しさえちゃんとしておけば、シーズン中はほぼ触る必要がありません。
一方、位置B、C、Dは外付けなので、レース毎の脱着が必要です。特にトランジション時間を短縮したい場合、外付けのハイドレーションは時間ロスの要因にもなります。
衛生面
これが意外と盲点。位置Aのフレーム内蔵は、直射日光や外気に晒されないので、水温上昇を抑えられます。夏場のレースで、ぬるくなった水を飲むのは結構キツイですからね。
外付けの場合、特に位置Bだと、ライダーの体熱と直射日光でかなり水温が上がります。保冷効果のあるボトルを使うか、氷を入れてスタートする必要があります。
風速・風向きの影響
実際のレースでは、無風状態なんてほぼありえません。横風や追い風・向かい風の条件下で、どの位置が一番効果的かも考える必要があります。
横風時は、位置Cのハンドル前方が一番影響を受けやすそうです。風を受ける面積が大きいし、ハンドル操作にも影響が出る可能性があります。
追い風時は、どの位置でも大きな差は出ないかもしれません。むしろ重量の軽さの方が重要になってくるかも。
向かい風時こそ、空気抵抗の差が顕著に現れそうです。この条件下で位置Aと位置Bを比較テストしてみたいですね。
データの信頼性について
このspeedfilの広告データ、めちゃくちゃ興味深いんですが、測定条件についてもう少し詳細が知りたいところです。
風洞実験なのか、実走テストなのか。ライダーのポジションやウェア、バイクの種類は統一されているのか。ハイドレーションのサイズや形状はどうなのか。
先日、ロードバイクのCdA値をFITファイルから推定してみた時も痛感しましたが、空気抵抗の測定って本当に難しいんです。風の影響がめちゃくちゃ大きいし、パワーメーターの誤差も影響します。
でも、トレンド自体は信頼できそうです。特に位置Bが一番悪いというのは、物理的にも納得できます。
今後試してみたいこと
複数設置の相乗効果
広告では位置A、C、D全部に設置すれば相乗的に空気抵抗が減ると示唆されてますが、本当にそうなのか実際に試してみたいですね。ただ、重量増とのバランスを考えると、実際のレースでメリットがあるかは微妙なところ。
まずは位置AとCの組み合わせから試してみようかな。容量的にも3L程度になるので、ロングレースでは実用的です。
DIYでの空気抵抗測定
パワーメーターとGPSデータを使って、FITファイルから簡易的なCdA推定ができることがわかったので、ハイドレーション設置位置の違いも測定してみたいです。
同じコース、同じ条件、同じパワーで複数回走って、平均速度と心拍数を比較すれば、ある程度の傾向は掴めるはず。風の影響を最小限にするために、早朝の無風時を狙って測定する予定です。
まとめ
ハイドレーションの設置位置による空気抵抗の差、思っていた以上に大きな差があることがわかりました。特に位置Bの空気抵抗増は想像以上です。
実用面を考えると、やっぱり位置A(ダウンチューブ内蔵)が最強ですね。空気抵抗、重量バランス、メンテナンス性、すべての面でバランスが取れています。
Shivを選んだ理由の一つがこの内蔵ハイドレーションでしたが、改めて正解だったと思います。プロに定期的に見てもらうのと同じで、機材の細かいところまで気を配ることで、トータルパフォーマンスが確実に向上します。
次のレースでは、このデータを参考にしてハイドレーション戦略を練り直してみようと思います。やはり、データに基づいた機材選択が一番確実ですね。
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